
札幌のラーメン店は、都心部のススキノが激戦区で、そのススキノでは「すみれ」に代わって新横浜の「ラーメン博物館」に出店する味噌ラーメンの名店「欅」が有名です。そして、最近台頭してきたラーメン激戦区が豊平区の美園。都心からは少し離れるので、観光客よりも地元札幌の人が通うお店の激戦区ということでしょうか。「すみれ」の流れを汲む「麺屋彩未」、新規に出店してきた「てつや」など、ラーメン戦争が勃発しているようです。
今回紹介するのは、その美園に出店してきた某店。もともと、平岸にあった店だったのが、美園に移転したものです。その店の醤油ラーメンを食べてきました。
札幌では珍しい純粋なトンコツベースのラーメンです。この店のトンコツは臭みがなく、それほどトンコツトンコツしていません。好みもありましょうが、私は博多や久留米のザ・トンコツ!というようなラーメンが好きなので、ちょっと物足りなく感じました。
一番驚いたのが、チャーシュー麺を注文したんじゃないかと間違えるくらいのチャーシューの量と味でした。チャーシューを売りにしているラーメン店は多いですが、ここのチャーシューの程よい甘さと柔らかさのあいまった味は、それらの店を凌駕しています。
全体として、トンコツに物足りなさはあるものの、まとまったいい味でした。札幌にいるとトンコツラーメンを食べる機会が少ないので、この店は貴重な存在だと思います。
ただ、苦言があります。まず、店に入った時に店長?と若い店員が二人(若い男性&女性 男性の方は店主の息子さんっぽい)いたのですが、入って「いらっしゃいませ」の声がありませんでした。こちらが入ったのを認識しているのにです。カウンターとは別に店の奥に小上がりみたいなものがあるらしく、そこから時折笑い声とかが聞こえてきます。観察していると、そこから店にとってあまりよくない注文(または態度)があるらしく、カウンターにいる店主がラーメンを作りながらそちらの方向を睨みつけています。カウンターにも数名お客さんがいたので、忙しくて、私たちは招かざる客だったのかもしれませんが、最初に「いらっしゃいませ」の一言がないと、それだけであまりいい気がしません。店主にとって、奥を睨みつけることで、私たちカウンターの客に何かアピールしていたのかもしれませんが、私たちと奥の客とは関係がないのです。とても不愉快になりました。いい味のラーメンを出していても、店員の態度を考えるともう行きたくないと思ってしまう店ってありますよね。状況を鑑みて事情は理解できたので、しょうがない部分はありますが、それでも良いとはとても言えません。もうひとつ言えば、若い男性店員が、食器を洗っている最中に盛大なくしゃみを連発していました。くしゃみはしょうがないのですが、くしゃみの方向が洗っている食器に向かっていました。「どうせ洗うからいいだろう」くらいに思っているのかもしれませんが、食品を扱うお店として、あまり良いとは思えません。
「味」とはすなわち、受け手の感覚でしかありません。店側に気持ち良い対応をしてもらえば、味はおいしくなるだろうし、逆なら味も然りです。私も含め大多数の人の感覚なんてその程度のものだと思います。この店のラーメンの味は、好きな人にとってはたまらない味なんだろうなと想像はつきます。でも、店員の態度とトレードオフしてしまい、良い印象は残らないかもしれません。貴重なラーメンを出すお店なので、残念としか言いようがありません。
お店の名誉のために一言付け加えると、帰る時にはちょっとすまなそうに「ありがとうございました、またよろしくお願いします」と言ってくれました。救いでした。なので、このブログで店名を出すのはやめました。ラーメン自体は食べる価値ありのものだと思います。